金融システム不安一服?
先週末に損失拡大が懸念されていた米大手証券が韓国系銀行によって買収される、との報道があり、NYダウは反発して取引を終えた。
またバーナンキFRB議長は講演の中で、「金融機関の経営危機に対して断固たる対応と流動性の供給」を示唆し、マーケットでは金融不安が一服、弱含みに推移していた米ドルは急激に値を戻している。果たして本当に金融システム不安は解消されたのだろうか。
ファニーメイ、フレディマックの両住宅金融公社の取り扱いについて、米金融当局の中では意見が対立しており、逆にマーケットの混乱を招いている状態となっている。
一般的な金融機関はBIS規制で自己資本率8%が最低基準とされているが、両社は2%を割り込み、株価も5ドルを割り込む水準まで落ち込んでいる。
市場の評価はそうなっている一方、ポールソン財務長官は、公的資金導入、国有化という選択も視野に入れながら、両社を維持するスタンスであることをマーケットに発している。
どのような状況下においても迅速に対応してきた米金融当局にとっても、正しい答えが見つからない、判断に迷う難しい問題である。
日本の場合は10数年の時間が必要だった。
劇的に改善する特効薬は期待できず、まだ時間を要する問題であることは間違いない。
短期的な戻しの局面が絶好の売り場となる可能性も否定できないだろう。
さて金融の信用不安という問題を抱えている一方、世界的な景気後退とインフレリスクに対する見通しも、マーケットが混乱する大きな要因とされている。
北京オリンピックも終わり、夏休みを終えた市場参加者がマーケットに戻ってくる今週以降、これ以上混乱の要素は増えないで貰いたいと願うのは筆者だけではないだろう。
ダウ
NYダウは、先週末に韓国系銀行によるリーマンブラザーズ証券買収報道により、大きく反発し取引を終えた。
残念ながら 11,628で引け、週初のオープン11,659を上回ることはできなかったが、週足で見るとオープンとクローズの値が近いことから相場反転の可能性を示す下ヒゲの長い「コマ線」を形成しており、今週以降の株価底入れと上値を試す可能性があると思われる。
2002年10月の安値である7197ドルと昨年10月の高値14,198ドルの半値戻しが10,700ドル近辺となり、先週月曜日の安値は半値戻しに届かなかったものの、ほぼ半値戻し達成と取ることは可能と思われる。株価上昇は金融システム不安を払拭し、ドル円やクロス円のサポート要因となることから、今後の展開に注目したい。
この通貨に注目!【スイスフラン円】
21日に大幅な下落をみせたスイス円だが、売られすぎ感から逆張り的なスイス買いやショート筋からの買戻しが持ち込まれ、 100.00を何とか上回って先週の取引を終えた。
金融システム不安一服や、本邦景気の不透明感も重なりクロス円の下げ止まりに対する期待感はあるものの、スイス中銀は利上げに消極的な姿勢を示し、テクニカル面では昨年来の高値である105.10から安値99.50までの38.2%戻しが101.35辺りにあり、また102円台手前には一目転換線や雲下限などがあることで戻り売りが集まりやすい状況に変わりはない。
今週は調整的な地合いが続く見込みで、相場の転換を見極めるにはもう暫く時間が必要だろう。
この通貨に注目!【南アランド円】
週足ベースでは長い下ヒゲを形成したが、残念ながら先週は陰線引けとなり、週前半は、まだ下値を模索する展開が継続する見込みとなっている。
ただし90日移動平均線(13.80)はサポートとして機能しており、日足ベースでみると今後緩やかなヘッドアンドショルダーを形成していく可能性もある。
売りから入り、小幅で利食う姿勢で 臨みたい。